赤ワインガレット物語 その2「麻記子さ~ん、早すぎ~」の巻

赤ワインガレット物語 その2「麻記子さ~ん、早すぎ~」の巻

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とあるお店のガレットブルトンヌの美味しさに驚き、「こんなおいしいガレットを作lりたい!」との想いから名付けたのが、「パティスリーガレット」なんです。

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前回の続きです
「何か赤ワインガレットのヒントがあるかもしれない」そんな期待をしながらカタシモワイナリーさんに出かけて行きました。ガレットから30分ほど、柏原の山のほうに向かいます。歴史を感じる町並みの中に「柏原ワイン」の文字。門を入るとすぐにワインの香りが漂ってきます。おっきな樽の間を進んで工場の奥、古民家を利用した事務所を訪ねました。「ようこそ~」とキラキラの澄んだ声で迎えてくれたのは醸造部の高井麻記子さん。「そんじゃとりあえず、行きましょう」と工場へ連れて行っていただきました。「ここが、ワインを寝かす部屋」「ここがビン詰め作業場」「この樽でぶどうを絞ります」次々と駆け足で解説をしながらワイン樽のチェックも「ごめん〇〇さん、もう一重シート掛けといて下さい」などなど、麻記子さんがワイン樽を覗く仕草はとても楽しそうで、「ワインは生き物なので、いつも気にかけてないとダメなんです」と笑顔がこぼれます。工場の中の階段を登ったり樽の間をすり抜けたり「うちは観光ワイナリーじゃないので、狭くてすいません」と、どんどん進んでいくペースに遅れないように、説明を頭に入れながら「麻記子さ~ん、早すぎ~」(笑)
 最後に案内をして頂いたのが、カウンターのある素敵な建物、そこで赤ワインガレットがうまくいかない話を聞いていただきました。「そうですね、これ飲んでみてください」と順にいろいろなワインをテイスティング「濃いめのワインですが、どれか合いますか?」「どれも美味しい!でももっとパンチが欲しいんです」お菓子に使うワイン選びとなるとさすがに麻記子さんも困った様子です。「ちょっと気分を変えて特別なビンテージワイン飲みましょう」と言ってカタシモワイナリーの歴史やワイン作りの話を聞きながら、こりゃたまらん美味し~いワインを口に含んでいた時に「いいものがありますよ!」と今度は工場の片隅の冷蔵コンテナへ。「私、前押さえてますので、久保さん、奥のクレート出してくださ~い」一番奥から出てきたのは、その年に絞った赤ワインの皮でした。何かに使えないかなと思って取っておいたものだったのです。「とにかくこれを使って考えてください。きっと使えると思います。」 麻記子さんのキラキラ笑顔に見送られながら、ぶどうの皮と、柏原産ぶどう100%使用の赤ワインを持って、ちょっとほろ酔いでワイナリーを後にしたのでした。
 帰り道、「ガレットの生地に皮を入れて…」とアイデアを話しながら、出来上がりを予想してウキウキしていましたが、なかなか…

その3に続く~

この記事を書いた人

パティスリーガレット