パティスリーガレット


galette Bretonnes

まるい平らな蹴り石のことをフランスでは「ガレッ」と言い、その形に似ていることから、まるい厚焼きクッキーのことを「ガレット」と呼びます。バターの割合がとても多いリッチな配合で、フランスでは仕上げに#の模様を描く事が決まりの伝統菓子です。

ガレットブルトンヌへの想い

とあるお店のガレットブルトンヌの美味しさに驚き、「こんなおいしいガレットを作りたい!」との想いから名付けたのが、「パティスリーガレット」なんです。


パティスリーガレット」ストーリー

私が修業していた頃…

その当時からガレットブルトンヌはポピュラーなお菓子でした。
でも、その頃の流行の焼き菓子は、コンフィチュールとセミドライのフルーツを入れたり、メレンゲと合わせたり、ヌーベルキュイジーヌの流れを受けた技巧派が主流でした
それに対して、どちらかと言うと地味な、クッキーsetには入っているけれど、主役じゃない
私の中でガレットブルトンヌはそんな位置付けでした。
作るのも大変だし、見た目もおとなしいし伝統菓子って感じ~と思ってました。

その思いが一変したのは…

ホテル時代に、東京のお土産に先輩が買ってきてくれたお菓子の中にガレットブルトンヌがありました。もちろんそれまでにいろんなお店のガレットブルトンヌは食べてますし、自分でも仕込んでました。
でも、そのガレットブルトンヌは違ったのです。
いつものように一つの焼き菓子をスタッフ分、4ピースぐらいに切り分けて、気になるものから順番に食べていきます。私はあまり組み立てとかは気にせずにパクついていきます。そして脇役のガレットブルトンヌはたいがい最後に食べることになります。技巧派の焼き菓子を食べたあと、何の意識もせずに口に運びました。「ええっ!なんやこのおいしさは!」バターと粉が突き抜けていく、それを追いかけるラム酒!もう一度確認しようにも、みんなで分けたので、ほんのちょっとしかありませんでした。「どうしても、もう一度食べたい」その場でしおりを見ながら、携帯もECもない時代ですから、会社の電話を借りて、お店に電話して、送ってもらうようにお願いしたのでした。
待つこと一週間ほどでガレットブルトンヌばかり15枚が届きました。緊張しながら再び食べると、やはりあの、素材の美味しさが口いっぱいに広がりました。

焼き菓子に向き合う…

それから「あのガレットブルトンヌ」を再現したい、と言うか、何が違うんだろうか?配合は?作り方は?古典菓子?伝統菓子?地方菓子?そもそもガレットブルトンヌって何?
いつもそんな事をに思いながらお菓子を作るようになって行きました。
地味なガレットブルトンヌにスポットを当てて主役にして、このおいしさを伝えたい。

パティスリーガレットは…

修業を終え独立するときにお店の名前(屋号)をきめます。何個か候補を上げながら、やっぱりガレット屋さんになりたいから…
「パティスリーガレット」に決めるのに迷いはありませんでした。
でも開業して3ヶ月ほどガレットブルトンヌは店頭に並びませんでした。もちろん作るつもりでしたが、オープンラッシュに追われ、手のかかるガレットブルトンヌが仕込めなかったのです。この時だけ「パティスリーガレット」にしない方がよかったのでは、なんて思いました笑。

ガレットブルトンヌのお店として…

パティスリーガレットは
今日も、明日も
ガレットブルトンヌのおいしさを届けるために
ガレットブルトンヌへの想いをこめて
ガレットブルトンヌを焼いています

ガレット・デ・ロワ