ガレットブルトンヌ プレーン

今回は
こだわりの材料でもなくて
こだわりの製法の話でもなくて
こだわりの型の話でもなくて…

そう言えば型の話は
今までしたことが無かったです
この話もおもしろいんです
次回のお楽しみと言うことで

で、私の
ガレットブルトンヌ物語
「衝撃の出合い」編です

私の修業時代は
ガレットと言えば
ガレットブルトンヌの事で

そば粉のクレープよりも
ジャガイモのガレットの方が
まだ知られている
そんな感じでした

でも
ガレットはクッキーセットの中に
ちょろっと入っている
脇役みたいなポジションで

見た目も地味
で決して
主役扱いではありませんでした
でもセットには必ず入ってる

半沢直樹で
同期なんだけど
一話だけしか出てこない
でもいないと話進まない
TKOの木下みたいな
そんな位置付けでした

そんな時
ホテル時代
東京に遊びに行った先輩が
色んな店の
焼き菓子をいろいろ買ってきてくれました

じゃんけんで順番に選んで
何巡目かに
最後に一つ残ったのがガレットでした

分けて食べろと先輩が
ぺティで4等分した
ガレットが私のもとに

そのまま試食タイムに

その頃は焼き菓子一直線だったので
色んなパウンドやらフィナンシェなんかを食べて
おいしいな~
なに使ってるんや?
なんて同僚としゃべりながら
一番最後に何気なくガレットを

結構食べた後なのに
なんやこれ!
めっちゃおいしい!
ひとかけだけなのに

先輩に言うと
「そうやろ」とにんまり
でも一かけらだけだったのでもっと食べたい!
取り寄せもできるで~と
しおりをヒラヒラ

もう我慢できずに
チーフに言って
仕事場からお店に電話
ネットのない時代ですから


ガレットばっかりひと箱
20個くらい取り寄せました

で待つこと2週間くらい
時代ですから銀行振込なので
時間がかかります

届いたガレットを
職場で食べました
う~ん
おいしい

もちろん
全部ではなくて
半分くらいは
ひとりで家で食べました

それからですねェ
こんなおいしいガレットブルトンヌが作りたい
こんなおいしいガレットブルトンヌを食べて欲しい
そう思えるようになったのは

あの時の先輩は
それがわかっていたのか
なんも考えてなかったのか
それはわかりませんが

私のお菓子屋人生を変えた
お土産でした

で、私の
ガレットブルトンヌ物語
「衝撃の出合い」編でした

と言うことで
ガレットブルトンヌ プレーン
食べときましょか

この記事を書いた人

久保 徹也